人間(sittliche Persnlichkeit)

この理想が実現せられるとして、教案を立てる際に材料と分布をどうするかという問に対しては、具体的の話は後日に譲ると云って、話頭を試験制度の問題に転じている。
「要は時間の経済にある。それには無駄な生徒いじめの訓練的な事は一切廃するがいい。今日でも一切の練習の最後の目的は卒業試験にあるような事になっている。この試験を廃しなければいけない。」「それは修学期の最後における恐ろしい比武競技のように、遥かの手前までもその暗影を投げる。生徒も先生も不断にこの強制的に定められた晴れの日の準備にあくせくしていなければならない。またその試験というのが人工的に無闇(むやみ)に程度を高く捻(ね)じり上げたもので、それに手の届くように鞭撻(べんたつ)された受験者はやっと数時間だけは持ちこたえていても、後ではすっかり忘れて再び取りかえす事はない。それを忘れてしまえば厄介な記憶の訓練の効果は消えてしまう。試験さえすめば数カ月後には大丈夫綺麗に忘れてしまうような、また忘れて然るべきような事を、何年もかかって詰め込む必要はない。吾々は自然に帰るがいい。そして最小の仕事を費やして最大の効果を得るという原則に従った方がいい。卒業試験は正にこの原則に反するものである。」
 それでは大学入学の資格はどうしてきめるかとの問に対して、
「偶然に支配されるような火の試練(フォイアプローベ)でなく、一体の成績によればいい。これは教師にはよく分るもので、もし分らなければ罪はやはり教師にある。教案が生徒を圧迫する度が少なければ少ないほど、生徒は卒業の資格を得やすいだろう。一日六時間、そのうち四時間は学校、二時間は宅で練習すれば沢山で、それすら最大限である。もしこれで少な過ぎると思うなら、まあ考えてみるがいい。若いものは暇な時間でも強い興奮努力を経験している。何故と云えば、彼等は全世界を知覚し認識し呑み込まなければならないから。」
「時間を減らして、その代りあまり必須でない科目を削るがいい。『世界歴史』と称するものなどがそれである。これは通例乾燥無味な表に詰め込んだだらしのないものである。これなどは思い切って切り詰め、年代いじりなどは抜きにして綱領だけに止めたい。特に古い時代の歴史などはずいぶん抜かしてしまっても吾人の生活に大した影響はない。私は学生がアレキサンダー大王その外何ダースかの征服者の事を少しも知らなくても、大した不幸だとは思わない。こういう人物が残した古文書的の遺産は、無駄なバラストとして記憶の重荷になるばかりである。どうしても古代に溯(さかのぼ)りたいなら、せめてサイラスやアルタセルキセスなどは節約して、文化に貢献したアルキメーデス、プトレモイス、ヘロン、アポロニウスの事でも少し話してもらいたい。全課程を冒険者や流血者の行列にしないために発明家や発見家も入れてもらいたい。」
 歴史の時間の一部を割いて、実際の国家組織に関する事項、社会学や法律なども授けてはどうかという問に対してはむしろ不賛成だと答えている。彼自身個人としては公生活の組織に関してかなりな興味をもっているが、学校で政治的素養を作る事は面白くないと云っている。その理由は第一こういう教育は官辺の影響のために本質的(ザハリヒ)に出来にくいし、また頭の成熟しないものが政治上の事にたずさわるのは一体早過ぎるというのである。その代り生徒に何かしら実用になる手工を必修させ、指物(さしもの)なり製本なり錠前なりとにかく物になるだけに仕込んでやりたいという考えである。これに対してモスコフスキーが、一体それは腕を仕込むのが主意か、それとも民衆一般との社会的連帯の感じを持たせるためかと聞くと、
「両方とも私には重要に思われる。その上に私のこの希望を正当と思わせるもう一つの見地がある。手工は勿論高等教育を受けるための下地にはならないでも、人間(sittliche Persnlichkeit)として立つべき地盤を拡げ堅めるために役に立つ。普通学校で第一に仕立てるべきものは未来の官吏、学者、教員、著述家でなくて「人」である。ただの「脳」ではない。プロメトイスが最初に人間に教えたのは天文学ではなくて火であり、工作であった……」

新知識

 可能性を許容するまでは科学的であるが、それだけでは科学者とは云われない。進んでその実証を求めるのが本当の科学者の道であろうが、それまでを元禄の西鶴に求めるのはいささか無理であろう。
 ともかくも西鶴の知識慾の旺盛であった事は上述の諸項からも知られるが、しかし西鶴の知識慾の向けられた対象を、例えば馬琴のそれと比較してみるとそこに興味ある差違を見出すことが出来るであろう。
 江戸時代随一の物知り男曲亭馬琴(きょくていばきん)の博覧強記とその知識の振り廻わし方は読者の周知の通りである。『八犬伝』中の竜に関するレクチュアー、『胡蝶物語』の中の酒茶論等と例を挙げるまでもないことである。しかるに馬琴の知識はその主要なるものは全部机の上で書物から得たものである。事柄の内容のみならずその文章の字句までも、古典や雑書にその典拠を求むれば一行一行に枚挙に暇(いとま)がないであろうと思われる。
 勿論、馬琴自身のオリジナルな観察も少なくはないであろうが、全体として見るときは彼の著書には強烈な「書庫の匂い」がある。その結果として、あらゆる描写記載にリアルな、生ま生ましい実感を求めることが困難である。馬琴自身の自嘲の辞と思われる文句が『胡蝶物語』にある。「そなたのやうな生物しり。……。唐山にはかういふ故事がある。……。和漢の書を引て瞽家(こけ)を威(おど)し。しつたぶりが一生の疵(きず)になつて……」というのである。
 西鶴の知識の種類はよほど変っている。稀に書物からの知識もあるが、それはいかにも附焼刃のようで直接の読書によるものと思われないのが多い。彼の大多数の知識は主として耳から這入(はい)った耳学問と、そうして、彼自身の眼からはいった観察のノートに拠(よ)るものと思われる。
 彼が新知識、特にオランダ渡りの新知識に対して強烈な嗜慾(しよく)をもっていたことは到る処に明白に指摘されるのであるが、そういう知識をどこから得たか自分は分からない。しかし『永代蔵』中の一節に或る利発な商人が商売に必要なあらゆる経済ニュースを蒐集し記録して「洛中の重宝(ちょうほう)」となったことを誌した中に、「木薬屋(きぐすりや)呉服屋の若い者に長崎の様子を尋ね」という文句がある。「竜の子」を二十両で買ったとか「火喰鳥の卵」を小判一枚で買ったとかいう話や、色々の輸入品の棚ざらえなどに関する資料を西鶴が蒐集した方法が、この簡単な文句の中に無意識に自白されているのではないかという気がする。

姿勢角度検出装置

全項目
--------------------------------------------------------------------------------
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】特許第3780086号(P3780086)
(24)【登録日】平成18年3月10日(2006.3.10)
(45)【発行日】平成18年5月31日(2006.5.31)
(54)【発明の名称】姿勢角度検出装置
(51)【国際特許分類】

G01C 19/00 (2006.01) G01C 15/00 (2006.01) G01C 19/56 (2006.01) G06T 3/00 (2006.01) H04N 5/64 (2006.01) G01P 9/04 (2006.01)
【FI】

G01C 19/00 Z G01C 15/00 101 G01C 19/56 G06T 3/00 H04N 5/64 511 A G01P 9/04
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願平10-26604
(22)【出願日】平成10年1月22日(1998.1.22)
(65)【公開番号】特開平11-211481
(43)【公開日】平成11年8月6日(1999.8.6)
【審査請求日】平成16年4月20日(2004.4.20)
(73)【特許権者】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】NECトーキン株式会社
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 株式会社トーキン内
(72)【発明者】
【氏名】山本 直治
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 株式会社トーキン内
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-306047(JP,A)
【文献】特開平07-234126(JP,A)
【文献】特開平05-018750(JP,A)
【文献】特開平09-292229(JP,A)
【文献】特開平07-239235(JP,A)
【文献】特開平01-250014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00-19/72
G01C 15/00
G06T 3/00
H04N 5/64
G01P 7/00
G01P 9/00-11/02
G01P 21/00-21/02


--------------------------------------------------------------------------------

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する3軸の回りの角速度を検出する3個のジャイロスコープを有する移動角検出手段と、互いに直交する少なくとも2軸の、加速度および方位をそれぞれ検出する加速度センサおよび磁気センサを有する静止角検出手段、および前記移動角検出手段と前記静止角検出手段の各出力から姿勢角度を演算する姿勢角度演算手段を備えた姿勢角度検出装置であって、前記3個のジャイロスコープの振動子は、同一のフレキシブル基板に実装され、前記各振動子が相互に垂直になるように、前記フレキシブル基板は折り曲げて回路基板に取り付けられていることを特徴とする姿勢角度検出装置。
【請求項2】
前記ジャイロスコープの振動子は、圧電セラミック材料、圧電単結晶、およびシリコンのいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の姿勢角度検出装置。
【請求項3】
前記フレキシブル基板は、前記各振動子相互の間に、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の姿勢角度検出装置。
【請求項4】
前記3個のジャイロスコープの各振動子の固有共振周波数相互の差分は、前記各ジャイロスコープによって測定される被測定周波数帯域よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の姿勢角度検出装置。
【請求項5】
前記各ジャイロスコープの出力から、前記各振動子によって測定される被測定周波数帯域以上の周波数を除去するように、ローパスフィルタを具備していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の姿勢角度検出装置。


--------------------------------------------------------------------------------

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体やヘッドマウントディスプレイ等の姿勢を検出する姿勢角度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バーチャルリアリティーにおいて、頭の動きを検出する方法として、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDという)が使われる。従来のHMDの一つの方式は、交流磁場発生源による微弱交流磁場を、センサ部で検出し、制御演算部で頭の動きを演算して検出する方式である。また、超音波を利用するHMDもあり、超音波発生源からの超音波信号をセンサ部で検出し、制御演算部で同様に処理する方式である。
【0003】
しかしながら、交流磁場を利用した方式では、信号発生源が微弱交流磁場のため、ノイズを除去するために多くのフィルタの使用が必然であった。このため、応答性が低下し、頭の動きに比べて、HMDの映像の動きが遅くなり、気分を悪くしたり酔いを発生した。
【0004】
また、超音波を利用した方式では、他の様々な超音波信号の影響を受け、それを原因とする誤動作があった。また、超音波を利用した方式では、信号発生源とセンサとの間の遮蔽物により信号を検出できなくなる可能性があり、センサの前に腕や髪の毛があるだけで受信不能になり誤動作してしまうなどの問題があった。
【0005】
最近、ジャイロスコープ、磁気センサ、および加速度センサ等を用い、バーチャルリアリティーや、移動体の姿勢角度を検出する方式が検討されている。ジャイロスコープ、磁気センサ、加速度センサ等によって、それぞれ角速度、方位、傾斜を検出し、その情報を演算処理して姿勢角度が検出される。
【0006】
交流磁場や超音波を利用する前述の方式に比較して、ジャイロスコープ等を用いて姿勢角度を検出する方式は、信頼性、応答性等において長所がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ジャイロスコープ、磁気センサ、加速度センサ等を用いた姿勢角度検出装置の場合、検出対象の姿勢角度が三次元的であれば、一般には、それぞれ3個のセンサを必要とする。これらのセンサを、当然に、3次元的に実装する必要があり、小型の姿勢角度検出装置の製作が困難となる。
【0008】
とくに、3個のジャイロスコープを用いた姿勢角度検出装置の場合には、小型化を実現するために各振動子を相互に近接して実装すると、各振動子の振動が相互に干渉し、ノイズを発生する原因ともなっていた。
【0009】
本発明の目的は、3個のジャイロスコープを用いても、構成が単純にして小型、製作が容易で、かつノイズを低減し高精度に検出する姿勢角度検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、互いに直交する3軸の回りの角速度を検出する3個のジャイロスコープを有する移動角検出手段と、互いに直交する少なくとも2軸の、加速度および方位をそれぞれ検出する加速度センサおよび磁気センサを有する静止角検出手段、および移動角検出手段と前記静止角検出手段の各出力から姿勢角度を演算する姿勢角度演算装置を備えた姿勢角度検出装置において、3個のジャイロスコープの振動子は、同一のフレキシブル基板に実装され、各振動子が相互に垂直になるように、フレキシブル基板は折り曲げられて回路基板に取り付けられている姿勢角度検出装置である。
【0011】
本発明の姿勢角度検出装置は、ジャイロスコープの振動子は、圧電セラミック材料、圧電単結晶、およびシリコンのいずれかからなることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、フレキシブル基板に、各振動子の間にスリットを形成することによって、ノイズを低減した姿勢角度検出装置が得られる。
【0013】
本発明による姿勢角度検出装置は、また、各振動子の相互の固有共振周波数の差分が、各ジャイロスコープによって測定される被測定周波数帯域よりも高く設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による姿勢角度検出装置は、姿勢角度検出装置は、各ジャイロスコープの出力から、各振動子によって測定される被測定周波数帯域以上の周波数を除去するように、ローパスフィルタを具備していることを特徴とする。
【0015】
livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ